仕事やプライベートで、新しいことに挑戦したり、大きな仕事を任されたりしましたか?
前に失敗したことがあるけど、また似たような場面に出くわして、「もう乗り越える自信がない・・・」と思っていませんか?
私自身、定期的にお客さんと会う仕事なのに、トラブルや謝罪続きで、「もうどうあがいてもこの局面は乗り切れない・・・」と思うことが何度もありました
しかもトラブルの度に上司に大事な部分を全て丸投げして、自分はだまって時間が過ぎるのを待っていて、後になってそれすらも後悔しながら「俺なんてダメだ・・・」と思う負のループに嵌っていました
今でも、私は別に自信があるわけではありません
しかし、周りから「行動力あるし、自信あるよね」と言われるようになりました
それは、自分を許す力であるセルフコンパッションを身に付けたからです
今回は自信の無さを克服して、常に次の行動を考えられるようになるためのセルフコンパッションについてご紹介します
以下のいずれかに当てはまる方はぜひ最後まで読んでみてください
- とにかく自分に自信が持てない方
- 「もう自分には無理・・・」と思って場面を乗りきるための行動ができない方
- 「どうせ自分なんかにはできない」と思って新しいことに挑戦していない方
自信がある人とない人の違い
自信がないことの一番大きな特徴は「ネガティブ思考に陥ってしまいがち」「次失敗したらやばい、と思って行動できなくなってしまう」という点です
その他で自信がある人とない人との違いとして良く聞くのは、「姿勢の良し悪し」だったり「はっきり話せているかどうか」、もしくは「自己開示ができるか」などという点ですよね
自信がないと、「自分より能力がある人がやればよい」と思うし、「自分がやって迷惑かけたら嫌だ」とも思って、自分が行動する代わりに他人に色々任せていくことが多いんじゃないでしょうか?
自信がない人の2大特徴
完璧主義・こだわりが強い
自信がない方は完璧主義、もしくはこだわりが強い傾向にあります
自分の理想をもって行動できている、という点ではむしろ良い結果を産みやすいので良いことではあります
しかし、理想通りに事を運ぶことができないと、ストレスがたまりやすいです
非常に些細なことではありますが、私は朝絶対に体操をして、朝ごはんを食べてから、コーヒーを飲むルーティンがあります
これが少しでも崩れると、気持ちが悪いですし、一日の調子があまり上がりません
仕事でも、チームのアクションをメンバーで考える時に線引きの基準作りにこだわりすぎて「そんなにこだわるな!」と言われたことがあります
自信がない方は、実はそんな些細な部分でも完璧主義やこだわりを持っている方が多いんじゃないでしょうか?
自己効力感が低い
自信がない方の2つめの特徴は、自己効力感が低いことです
自己効力感というのは、「自分ならできる!」と思える力のことです
ピンポイントで「これは自分にはできないなあ」と思ったら他の人に任せるという手段も取れますが、自分自身に対して自己効力感が低いと、以下のような言葉が頭の中をぐるぐる回ります
- どうせお前なんかには無理だよ
- 今までお前に何ができた?これからもお前なんか同じだよ
- どうせできないのに何で頑張ってるの?
特に、完璧主義とこれが組み合わさると、一つ一つの行動に対して自己否定をしてしまう傾向にあります
人間は完璧なんてことはありません
また、完璧な成果物というものもありません
100%の成果物よりも70%の成果物の方が喜ばれることだってあります
「どうせ100%にできないなら、やらない方がマシ」なんてことは、実はないんです
完璧を追い求めて、それが達成できなかった時に自己否定をしてしまう
結果的に行動を起こせなくなるのが、自信がない人の特徴でもありますね
失敗した自分を許すセルフコンパッションが必要
自信がないからと言って行動を辞めてしまうと、いつまで経ってもあなたは自信がないままです
20代の今であれば、「俺にはできない・・・」と言って仕事を上司に任せることもできますが、30代、40代になれば、あなたは上司を頼る事よりも、部下から頼られることが増えます
プライベートでも、家族を持てば子供の教育はどうするか、家族と週末は何をするのか、生活費をどうやりくりするか、考えて決めないといけません
ずっと独身でも、老後のお金はどうするのか、サラリーマンとして働かなくなってもどうやって生活費を稼いだら良いのかなど、考えて決める必要があります
私たちは、年を重ねれば重ねる程、考えて、決めて、行動する、ということを繰り返していかないと、決断と行動を先送りにして、何も決まらないままどうでも良い生活を送ることになるんです
もちろん、正解の通りに行動するわけではないので、失敗をすることもあります
自分で考えて行動したことが裏目に出ることもあります
だからこそ、私たちの失敗を自分を許すことを学ぶことで、いつまでも落ち込んでいるのではなく、行動する必要です
そのためには、セルフコンパッションを高めて、間違いを犯しても自分を許す力が必要なんです
自信よりもセルフコンパッションが大事
自信がある人とセルフコンパッションが高い人、どっちも自分ならできると考えています
しかしセルフコンパッションが高い人は自分の良いところも悪いところも総じて受け入れることができるのが最大の特徴です
ただ自信があるだけの人は、失敗をした時に自分の間違いを認めたくないので、「俺は本来こんな失敗なんかしないんだ!」と言って失敗の原因を分析せず、同じ失敗をするんです
セルフコンパッションが高い人は、ポジティブネガティブ関係なく、現状を受け入れて次の行動を考えることができます
「まあ失敗なんて誰でもあるから、乗り越えることもできるよね。今回は何て失敗したんだっけ?」と言って原因分析に入れます長期的に、失敗を減らすことができるんです
自分を許すためのセルフコンパッションとは
セルフコンパッションとは、自分に対して、人生に前向きになれる言葉を投げて、自分を許す力のことです
例えば、セルフコンパッションが低いA君と、セルフコンパッションが高いB君がいたとします
二人とも就活で失敗して、理想ではない会社に入社することになりました
それが決まった時のA君とB君では、以下のような反応の違いがあります
セルフコンパッションが低いA 就活に失敗した時
「就活あんなに頑張ったのに、なんで俺はこんな会社にしか入れなかったんだ・・・自己分析をしっかりしたのに、入る会社だと全然関係ないことやることになるし、転職でも第一志望だったX社に入れないし、もう積んだわ・・・最悪・・・」
セルフコンパッションが高いB 就活に失敗した時
「就活めっちゃ頑張ったのに、思ったのと違う会社に入ったなあ。まあ、そういうこともあるよね。やりたいこととは全然違うけど、まずはここでキャリアとスキルを積み上げよう。もしかしたら理想の会社に転職できるかもしれないし、理想も変わるかもしれない。最悪、第二新卒でも転職できるよね。」
このように、セルフコンパッションが高い人は自分の状況を受け入れて、その上でできる最大限のことに取り組もう、と考える傾向にあります
こう考えることができれば、自分を高める行動を取ることができて、自分自身のチャンスを広げることができます
逆にA君のようにセルフコンパッションが低いと、現状に悲観してしまい、どんなに頑張ってももう意味がないから頑張らない、という感じが伝わってきますね
行動しないと、現実は変わりません
現実を変えるためには、B君のように自分の行動を決めて、実践する必要があります
そのために、今の自分を受け入れるセルフコンパッションが必要なんです
セルフコンパッションが高いことのメリット
レジリエンスが高くなる
落ち込みからの回復、挫折からの立ち直りが早いことこそがセルフコンパッションが高いことのメリットです
先程の、就活に失敗したA君とB君の違いが、まさしくこの部分です
挑戦して失敗した時に、誰でも落ち込みますよね
しかし、ずっと落ち込んでいては行動できず、自分が思い描く理想に近づくことができません
まずは失敗した自分を認めて、「失敗したこの状況でできることは何か?」と考えて、行動する必要があります
成長マインドセットが育つ
失敗しても「ここから何をしたら良いか」を考えていくうちに、「自分の人生、努力で変えられるかもしれない」と考えるようになります
「頑張って準備して行動すれば、状況は改善する」
そう思えるなら、行動をして現実を変える力も湧き出るのです
オーセンティシティが高まる
セルフコンパッションをすることで自分の意思や感情に 忠実に生きている感覚を持って判断して行動出来るようになります
自分で考えて決めて、行動する
これは言い換えると「自分が好きなように行動する」ということでもあります
体裁を気にせず、やりたいことに挑戦できる
周りの声をもとに自分の行動を決めるのではなく、自分がやりたいと思うから、挑戦する
このような感覚のことを、オーセンティシティ(Authenticity)が高い、と言います
海外製のクッキーでオーセンティック(Authentic)という単語を目にしたことがあるかもしれません
Authenticとはピュア、純粋な、という意味を持っています
オーセンティシティが高いと、自分の意思や感情に 忠実に生きている感覚を持って判断して行動出来るていることを指し、
オーセンティシティが低いと、自分の意思や感情以外に他人の意思や感情があなたの判断や行動に入っている、ということを指します
オーセンティシティが高いと、やる気や行動力、集中力が上がるという研究があります
本来の自分の忠実に生きている感覚を持つことで行動して、挑戦ができます
そして行動して挑戦した結果失敗しても、早く立ち直って、また行動できるという正のループに入ることができるんです
【たったの12問】今のセルフコンパッションレベルを測ろう!
セルフコンパッションを身に付けることで人生を前に進める力を手にいられる、ということがわかりましたね
ここで、一旦あなたのセルフコンパッションレベルを測ってみましょう
以下の12問に答えて、点数の平均を算出することであなたのセルフコンパッションレベルがわかります
最初の6問は完全に当てはまる答えに5点、全く当てはまらない答えに1点を付けてください
後半の6問では逆に、完全に当てはまる答えに1点、全く当てはまらない答えに5点を付けてください
ステップ①前半の問題を解く
全く当てはまらない=1点
あまり当てはまらない=2点
どっちでもない=3
かなり当たっている=4点
完全に当てはまる=5点
- 自分の性格の好きでないところについて理解し、優しい目で見るようにしている
- 何かネガティブなことが起こったとき、その状況についてバランスの取れた見方をするようにしている
- 自分の失敗は、人間ならばだれしも経験することの一つだと考えるようにしている
- 何らかの苦労を経験している時は、必要な程度に応じて自分をいたわり、優しくするようにしている
- 何か苦しい思いをしている時には、感情を適度なバランスを保つようにしている
- 自分のことでなんか不十分なところが合ったと思った時は、自分以外の多くの人と同じように不十分なのだと思うようにしてる
ステップ②後半の問題を解く
全く当てはまらない=5点
あまり当てはまらない=4点
どっちでもない=3
かなり当たっている=2点
完全に当てはまる=1点
- 自分にとって重要な仕事で失敗をすると、無力感で頭がいっぱいになる
- 気分が落ち込んだ時には、ン他の人は自分よりも幸せだろうという気持ちになりやすい
- 自分にとって失敗したときは、周囲から切り離されてひとりになったような気持ちになりやすい
- 気分が落ち込んだ時には、自分が間違っていたことのすべてを心配し、こだわってしまう傾向にある
- 自分の欠点や不十分さについて不満が大きく、批判的になりやすい
- 自分の性格の嫌なところについて優しくなれないし、イライラしてしまう
ステップ③平均を出して尺度を算出
12問への回答数字を全て足したら12で割って平均を算出してください
出てきた数字を下の判断基準と照らし合わせると、あなたのセルフコンパッションレベルを測ることができます
- 2.4以下・・・セルフコンパッションが低い
- 2,5~3.4・・・セルフコンパッションは平均
- 3.5以上・・・セルフコンパッションが高い
セルフコンパッションを高めるための行動
行動①自分を責めた時に以下の3つの質問を投げる
セルフコンパッションが高かった方も低かった方も、失敗をしてしまった時は自分を責めてしまいますよね
「あ、これ自分責めてる」と思ったら、以下の3つの質問に立ち返ってみてください
一つでもNoがあれば、
「もしYesなら、どんなことを考えてどう行動しているか」を紙に書き出していきましょう
- 失敗した友人に、あなたは同じ言葉をかけますか?
- 失敗や欠点は人間あって当たり前と思えてる?
- マイナスの感情を第三者として観察できてる?
質問①失敗した友人に、あなたは同じ言葉をかけますか?
例えば、友人が大事なプレゼンで失敗してしまったとします
そんな時に、あなたは以下のどちらの言葉を友人にかけますか??
A「なんであそこで噛んだんだ!あれさえなければ内容を忘れることなくプレゼンができたのに…!」
B「そりゃあ、あんな緊張してたら舌も噛むわなあ…前日遅くまで準備してたし、緊張しすぎて寝れなかったし、失敗する環境だけ整ってたよね…次は早く寝るようにプレゼン準備は前倒しにして、寝る時はアロマでも炊いたらいいんじゃない?」
自分ではなく友人にかけるなら、間違いなくBの言葉をかけますよね
同じような言葉を自分にもかけてあげることで、まずは自分への攻撃をやめることができます
大事な友人が失敗した時にどう声を掛けるか?と考えることがセルフコンパッションへの第一歩です
質問②失敗や欠点は人間あって当たり前と思えてる?
本来、人間は誰しも失敗をします
判断を間違えたり、余計なことをやったり、細かく間違いを上げていくとキリがありません
しかし、自分たちの間違いを認められない、「あれさえなければ失敗はしなかったのに」の根底には「間違いを犯してはならない」という思いや考えがあります
「(本来間違いを犯してはいけないのに)書類でミスをした」
「(本来ミスをしてはいけないのに)プレゼンでセリフが飛んだ」
もちろん、ミスをしないのは理想的です
しかし、どうしても私たちはミスを犯してしまう
むしろ、ミスをしなかったらすごいんです
ミスをしても本来、仕方がない、と覚えておきましょう
質問③マイナスの感情を第三者として観察できてる?
マイナスな感情の中にいると、その感情の影響をもろに受けてしまうので、精神的に苦しくなったり、落ち込みやすくなってしまいます
マイナスの感情に飛び込むのではなく、外側から観察することで、マイナスの感情に呑まれ辛くなり、冷静に状況を理解できるようになるのです
マイナスの感情に飛び込んでいる場合
「うわああああ、なんで俺は失敗してしまったんだぁぁあ!!!もう!!俺は!!ダメだっ!!」
マイナスの感情を観察できている場合
「あれ、なんで俺はイラついてるんだっけ?」
「確か、プレゼンで上司が失敗したのに、資料を作っただけの俺のせいにされたんだよね」
「けど、それ別に直接的に俺が悪いわけじゃないよね?」
感情は、私たちの思考にバイアスをかけることがあります
感情の外側から自分を観察して、冷静に解決先を考え、実行していきましょう
行動②ジャーナリング
ジャーナリングとは、時間を決めてひたすら頭に浮かんがことをノートに書きだしていく作業のことです
自分の考えや感情を状況と併せて言語化できるので、自分の言動を客観視することができます
先程ご紹介した3つの質問を設定してジャーナリングを1日5分するだけで、かなり効果が出るでしょう
具体的なやり方は以下のリンクに書いておきましたので、確認してみてください
行動③自分に手紙を書く
ジャーナリングの項目でもご紹介紙に書き出すことが重要です質問1のように「友人に手紙を書く気持ち」で自分に手紙を書いてみる、というのが有効です
ジャーナリングと違う点は、手紙に書くことで「自分に直接言葉を語りかけることができる点」です
自分に優しくなって、必要以上に厳しく当たることをやめられるので、感情的に自分を許す上で有効な手段です
まとめ
今回は自分に自信がない人が取り組むべきことについてご紹介しました
自信がないからと言って行動をやめてしまうと、状況はいつまで経っても変わりません
自信がない人は自分の欠点を見ることができる人です
欠点から目を逸らさない強さを私たちは持っています
1日でも早くセルフコンパッションを高めて、自分を許すことで失敗してもへこたれない、挫折をしても早く立ち直れる心を作りましょう
また、セルフコンパッションについてより深く知りたい、という方はこちらの本も読んでみてください