介護業界は、高齢化社会の進行に伴い、急速に需要が拡大している分野です。
介護士やヘルパーなど、専門的な知識や技術を持った職種が多く存在し、社会的にも重要な役割を果たしています。
しかしながら、一方で介護業界には様々な課題があり、その将来性について懸念する声も少なくありません。
今回は介護業界の将来性がない理由を解説します。
介護業界は、高齢者や身体・精神的な障害を持つ人々に対して、日常生活や社会活動を支援するサービスを提供しています。
主な業態には、介護老人保健施設、デイサービス、訪問介護、グループホームなどがあります。
日本は超高齢化社会になっており、介護の需要が高まっていることから業界は成長傾向にあります。
一方でキャリアパスや作業内容が原因で長く働きづらく、キャリアアップや年収アップをしづらい一面もあるので、転職を検討する際には注意が必要です。
この記事では介護業界があなたのキャリアにとって将来性のない理由をご紹介します。
介護業界があなたのキャリアにとって将来性のない3つの理由は以下の通りです。
- 専門性は高いのにキャリアパスと働ける期間が限られるから
- 資金調達と経営の困難さ
- デジタル化の遅れ
専門性は高いのにキャリアパスと働ける期間が限られるから
介護業界の仕事は専門性が高いわりにキャリアアップのチャンスが少なく、働ける期間が限られています。
未経験から介護士になるまでおよそ1年程度かかるほか、専門の国家資格を取得する場合はさらに2年程度かかるケースが多いです。
国家資格があればキャリアとしては拍が付きますが、介護士の平均年収は300万円程度。
年収が上がっても、日本全体の平均年収である420万円に並ぶか超えるか程度だと言えます。
加えて肉体労働でもあるので、20代の頃はよくても30代、40代になるにつれて自分の身体への負担が大きくなります。
オフィスワーカーが65歳まで働くような長いキャリアはほぼ望めないでしょう。
資金調達と経営の困難さ
介護業界はリスクが高く収益が見込みづらいビジネスモデルであることが多いので、資金調達や経営が難しいです。
大前提として、人が他の人の身体や生活をケアする仕事なので暴力やネグレクトなど人間によるトラブルが起きやすいので厚生労働省によるチェックが厳しいです。
さらに労働集約型のビジネスモデルなので、1人あたりで稼げる金額はおおむね決まっています。コストに目を光らせながら経営をしなければ、あっという間につぶれてしまいます。
それにも関わらず、市場が成長しているために参入する法人が増えており、競争が激化しています。
介護業界は利益を取りづらいビジネスモデルなのに競争が激しく、どの介護系企業に入社しても常に倒産リスクが高い企業にいることになります。
デジタル化の遅れ
介護業界は非常にアナログな仕事なのでIT技術やAIへの感度が低く、活用が全く進んでいません。
電子カルテや情報共有システムが整備されていないケースが多く、業務効率が他の業界と比べて著しく低いです。
最近は介護ロボットの開発も進んでいますが、未知の技術に対する耐性がないので、導入はもうしばらくかかる見込みです。
ITやAIとうまく付き合って業務効率化ができないと、価格競争に巻き込まれて給料アップやキャリアアップを見込めません。
介護業界の問題を解決するためにITやロボットを活用した新しい介護の方法を追及するのは社会的に意義があります。
マーケットもあるので、一見将来性があるように見えます。
しかし介護業界のビジネスモデル上、収益を作りづらいことに変わりありません。
抜本的な業務改革ができなければ、介護業界で働いてキャリアアップするのは難しいでしょう。