飲食業界は一見魅力的に見えるかもしれませんが、その実態はどうなのでしょうか?
本記事では、飲食業界の概要や業界の将来性について解説します。また、飲食業界にはどのような問題があるのか、その3つの理由を探っていきます。
飲食業界にはレストラン、カフェ、ファーストフード、居酒屋、バーなど、様々な業態の飲食店があります。
コロナをきっかけに多くの飲食店がフードデリバリー対応を求められるようになりました。
飲食業界で働く人には食事を作ったりサービスを提供したらいするだけでなく、マーケティングや企画開発、マネジメント等の幅広いスキルが求められます。
飲食業界に興味を持つ人はそれなりに多いですが、飲食業界は競争が激しく労働に対して賃金が低い傾向にあります。これから働く上で、将来性のある業界とは呼べません
飲食業界の将来性がない理由は大きく分けると以下の3つです。
- 飲食店の過剰競争が起きてるから
- 原材料費が高騰してるから
- 労働環境や待遇が低いことが多いから
飲食店の過剰競争が起きてるから
特に都市部では飲食店の競争が激しく、価格競争に陥りがちなことから将来性が低いです。
飲食の市場はすでに飽和状態になっていて、同じ場所にいくつもの飲食店が並んでいます。
お客さんに自分の飲食店を選んでもらうためには、ブランド、魅力的な食事と価格が重要です。似たような食事が提供されるエリアであれば、ブランドや価格で戦うしかありません。
このような環境では新規参入をするのが難しいことはもちろん、大手チェーンとの価格競争でどの店舗も利益の確保にかなり苦労しています。
あなたの給料は利益から支払われている一方、その利益を確保できないとなると、どんなに頑張っても日々の生活費を稼ぐだけでいっぱいいっぱいになります。
原材料費が高騰してるから
競争が激しくなっている一方で、小麦や卵など多くの原材料費が高騰しています。
この背景にあるのは国際的な競争や天候や災害による農産物の収穫不足、SDGsへの取り組みがあります。
国際的な競争によって石油価格が上昇しており、何を運ぶにしても価格が上がっていく一方です。ほぼすべての食材を輸入に頼っている日本では、もろに打撃を受けます。
加えて天候や災害による収穫不足が発生すると、需給バランスが偏ってしまい、やはり価格が上昇する要因に。
そのほかSDGsを気にしてサステナブルな仕入れルートを使わないといけないとなると、従来の原材料費よりも金額が上がってしまうのは言うまでもありません。
提供する上での価格競争が激しいにもかかわらず、仕入れ原価が上昇しているため今までより利益を確保しづらい環境になっています。
労働環境や待遇が低いことが多いから
飲食店はビジネスモデル上、利益を確保しづらく、人件費をできるだけ抑えないといけません。結果、忙しいのに全然稼げないというブラックな環境になりがちです。
メニューの売値は抑えて、仕入れ値が上がっているために、飲食店で働く場合の時給は他の職業と比べて安いです。
それに加え、飲食店の営業時間は12時間前後が多く、オフィスワーカーの労働時間よりも長いことがほとんど。
その結果、時給は安いのに営業時間は長く、たくさん働いても生活するので精一杯になりがちです。
「こんな過酷な環境より良い労働環境があるはず」といって業界を離れる人も少なくありません。
人が辞めた結果人手不足になり、残った人がより過酷な環境で働く、という負のループに陥りがちです。
総合的に労働時間が長く稼ぎづらい飲食業界ですが、それでも飲食業界で働きたいのであれば、以下の3つの点を抑えて活動しましょう。
- IT技術やデジタルマーケティングを駆使すること
- 食の安全やSDGsへの取り組み
- 海外進出を検討すること
IT技術やデジタルマーケティングを駆使すること
インスタやロボットなどのITやデジタルマーケティングツールを活用することで、業務の効率化やブランディング上昇を目指せます。
ロボットやITの技術発展により、人じゃなくてもできる業務が増えていたり、マーケティングをする上で広告や好立地以外にも人を集める方法が増えています。
例えば焼肉きんぐという焼肉食べ放題の店では肉の配膳をロボットに任せているし、回転ずしの店舗では自動寿司メーカーという機械を使っています。
またお客さんを増やすマーケティング施策として食べログやぐるなびだけでなく、インスタやGoogleマイビジネスなどを使ったマーケティングが増えています。
この手の施策を使うことで、個人が運営する店舗でもお客さんに来てもらえるし、同時に顧客管理や理転職の上昇にも活用できます。
食の安全やSDGsへの取り組み
食の安全やSDGsへの取り組みに力を入れることで、サステナビリティに感度の高い、資金に余裕のある人たちを集客できます。
近年、SDGsやサステナビリティというキーワードが注目されていますよね。これらのキーワードに感度が高いのは、ある程度の教養を持っている人たちです。
つまり「安全な食事にお金を出すことをいとわない客層」に訴えることができるということです。
彼らに「安全な食事を、費用と手間をかけて取ってきました。ぜひ食べてください。」と伝えれば、吉野家のサラダと牛丼よりも魅力的な提案ができます。
吉野家や松屋などの「安い!早い!うまい!」は大手企業だから実現できるものです。これらの企業は資金力があるからこそ、安く食材を調達できています。
これらのような企業はこれからさらなるコストカットに走るはずです。
これから飲食業界に入って、特に自分の店を持つことを考えるなら、SDGsとの関連性が高く、積極的に取り組み、社会に貢献していくことを考えていくとチャンスがあるはずです。
海外進出を検討すること
自分の店舗を持つことに興味はないけど飲食業界に興味がある、という方は海外進出をしている、もしくは目指してる企業がねらい目です。
大前提、日本の人口は減っていく一方です。日本国内だけで勝負するということは、日本国内で減少しているお客さんの奪い合いに参加するということです。
日本だけで勝負するというのは、時限爆弾が置いてある部屋に自分から入っていくようなものです。
一方、地球上にいる人間の数は毎年増えています。2023年時点でおよそ80億人、2030年や2040年には90億人を超えるといわれています。
どんな人でも飲み食いはするので、飲食としては世界の誰もがお客さんになりえます。増えてる人口をターゲットに飲食店を展開できれば、成長する見込みは十二分にあります。
特に和食は、2013年に和食が「無形文化遺産」に登録されて、さまざまな日本料理が世界で人気となっています。
すしやてんぷら、すき焼きなどの伝統的で高級感があるものだけでなく、ラーメン、牛丼、カレーライス、焼き鳥などのメニューが人気出てきました、
現にスシローや吉野家など日本食を扱うさまざまな店舗が続々と海外進出を果たしています。
コロナがほぼ終わっている今こそ、海外進出を念頭に入れている飲食業界の企業を狙うのはアリです。
飲食業界は、低賃金・長時間労働になりがちです。大手企業でさえ、他の企業と比べて給料が安くなりがちです。
それでもSDGsやサステナビリティを意識したブランディングや海外進出を意識した戦略を練れば、むしろチャンスは広がっていきます。
もし海外に行く気はない、SDGsに興味がない、関わる気が今のところないなら、飲食業界は辞めておきましょう