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金属工の仕事に将来性がない4つの理由とは?

金属工の仕事は専門性も技術力も求められる仕事ですが、様々な技術力の向上や業界の競争苛烈化により、将来性のない仕事だと言われるようになりました。

今回の記事では金属工の仕事とはなにか、この仕事に将来性がない理由を解説します。

金属工ってどんな仕事?

金属工は、金属加工技術を用いて機械部品や構造物などの製造・組み立てを行う専門職です。

主に旋盤、フライス盤、溶接機などの機械を操作し、金属材料を加工して製品を作り上げます。

金属工の業務範囲は広く、自動車、航空機、家電製品、建築などのさまざまな産業分野で活躍しています。

精密加工や表面処理、検査なども含まれるため、技術力や経験が重要とされています。

一方で、肉体労働が多く労働環境が厳しいことや、キャリアパスの限定性が課題とされています。

金属工の仕事に将来性がない4つの理由

金属工の仕事に将来性がない理由は以下の4つに集約されます。

  • グローバル化による競争の激化と自動化・ロボット技術の進化
  • 技術革新による新素材の登場
  • 人手不足と技術者の高齢化
  • 職業の地位とキャリアパスの限定性

グローバル化による競争の激化と自動化・ロボット技術の進化

世界には強力な金属メーカーや加工系の会社が多くあり、競争が苛烈です。技術や製品による差別化が難しいことから、価格競争で消耗している企業が多いです。

業界全体として、コストカットをするために工場を低賃金国に移管したり産業用ロボット・AIを使った生産プロセスを整えています。

場合によっては金属工が作っていた製品を3Dプリンターで代替できることもあり、金属以外の素材や製品もライバルとして台頭しています。

そのため人が仕事できる場面が少しずつ減っており、金属工としてスキルを高めても活躍の場面はほぼありません。

技術革新による新素材の登場

最近は技術革新によって金属を代替する新素材が次々と登場しています。金属より軽く、強度が高い上に環境に優しい製品によって、金属が別の素材に代替されてきています。

例えば、カーボンファイバーや高強度プラスチックなどは、自動車や航空機の製造において、金属部品の代わりとなることが増えています。

また、バイオプラスチックやリサイクル可能な素材は金属より環境に優しい素材です。

廃棄物の削減や環境負荷の低減を目指す企業にとって魅力的な選択肢となっており、金属に代わる新たな材料として利用が広がっています。

半導体産業では、シリコンに代わる新たな材料が研究開発されており、従来の金属加工技術とは異なる技術が求められることが増えています。

技術革新による新素材の登場は、金属の需要を減らすだけでなく、金属加工技術の需要も低下させています。

それぞれの素材に合った技術が存在するので、需要が下がっている金属とは別の技術を身に着けておくことが必要になってきています。

人手不足と技術者の高齢化

金属工の業界では、人手不足と技術者の高齢化が深刻な問題となっています。

若者の技術職への進出意欲は低下しているため、技術を受け継ぎ手がなかなか現れない組織が多いです。

その結果金属工の技術者はどこも高齢化し、技術伝承をしないまま引退してしまうケースが多いです。その結果、金属工の業界は人手不足と生産性低下に苦しんでいます。

近頃の20代の人たちはITスキルを身に着けているため、仕事に比べて労働環境が良く、高収入が見込めるIT関係の職種を求める傾向があります。

このため、金属工業界では、若手技術者の獲得が難しくなっており、人手不足の解消が困難な状況に陥っています。

完全に負のスパイラルに陥っている業界で頑張っても、一人の力だけではどうにもできないのが現実です。

職業の地位とキャリアパスの限定性

金属工の仕事は高い専門性と技術力を求められる一方で、キャリアパスが限定的という問題があります。

まず、金属工の仕事は肉体労働が多く、労働環境が厳しいため、若者の間で金属工の仕事への関心は低く、人材確保が難しい状況が続いています。

また、金属工の仕事は昇進やキャリアアップに時間がかかります。

金属工の仕事では、長年の経験や独自の技術が重要とされるため、若手がすぐに昇進やキャリアアップを果たすことは難しいです。

企業内でのキャリアパスが限定的である場合も多く、将来的にどのようなキャリアを築けるのかが見えづらいのも悩みの一つです。

最後に、金属工の技術は非常に特殊であり、他の職種に転じる際には、その技術が活かせないことが多いです。

これは、金属工が転職市場で競争力を持ちにくく、職種転換が困難になる要因となっています。

結論:金属工コストカットと人材不足

金属工の仕事は高い技術力と専門性を求められる重要な仕事です。

しかしロボットやAIの台頭による生産プロセスのコストカット、金属を代替する素材の登場、人員不足による技術力の消失により、金属工の仕事の価値は下がってきています。

金属以外の素材に対する技術力やITの知見と織り交ぜた価値を創造・提案しない限り、金属工の仕事に将来性はありません

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